“クゥークゥー クック”、“クゥークゥー クック”、・・・ 私にはこのように聞こえる。
コロナ禍真っ最中の5月4日早朝、近くにある公園でのラジオ体操から自宅に戻ると、庭の方で“バサ、バサ”と羽ばたきが聞こえた。見てみると、しばらくしてどこかへ飛んで行った。3分ほど“ジィっー”と見てると、枯れ枝を銜えて電線に停まり、逆にこちらを見ている、鳩だ。
翌日も朝6時過ぎ、1階和室の窓ガラスを透して眺めていると、枝を銜えて運んできた。ジツにマメな働き鳩だ。・・・・ それからは毎朝、15分程度、マテバ椎の木を眺めるのが日課となった。
5月11日朝、同様に椎の木を眺めていると出たり入ったりしている二羽を確認した。お相手も決まったようだ。雄と思われる働きものの一羽は出たり入ったり、メスと思われる一羽は動かない。
明日はどんな動きをするのやら?
鳩夫婦を刺激しないように、しばらくは庭仕事もしないことにした。
5月12日朝、近くの電線にカラスが留っている。大きなカラスだ。ヤバい! 動くな! 隠れろ!
でも、鳩夫妻は一応の巣作りが終わったようで、頻繁な出入りはしなくなった。 葉隠れの巣のあたりは静まりかえっている。羽ばたきも聞こえない。産卵は終わったのか? 抱いているのか? 気になる。
ふと、雨の日はどう過ごしているのだろうとか、まるで我が子のように気になる。
5月13日、夕方、巣を覗いてみた(距離約2m)。巣にどっかり座ってこちらを見てる、驚く様子もなく、ジーと見詰め返された。どうやら卵を抱いているらしい。
5月14日 、朝9時、一羽が飛んできた。 室内からジィーと眺めていたが、2分、3分、4分経っても動かない。ステイホームの抱卵疲れなのか、一旦外出してトイレなのか?食事なのか?
5月20日、雨が降っている。覗いてみた。雨露を通さないほど椎の葉も大きくなり、殆ど濡れてないようだ。 やはり、身動きもせず、ジィーと見つめ返された。
5月23日08:30、昨夜来の雨はあがっている。ふと、椎の木を眺めていると、一羽が羽ばたきもせず滑空して椎の木の枝に停まった。彼(彼女?)は5秒ほどあたりを見渡していたが巣ごもりしたようだ、抱卵していた一羽が交代で飛びだしていったようだ。 どうやら交代のようだ。
コロナ禍でステイホームの自粛の日々が続くおり、心が和んでいる。
6月1日朝、覗いてみると、親鳥がいない、小さな頭が2つ見える。どうやら、数日前に生まれたようだ。 騒がない、動かない、捕虫に出かけた親の帰りを待ってるようだ。
6月8日朝、電線に親鳩と子鳩(と見られる)が並んでとまっていた。 一羽が先に巣立ちの練習か?
巣を覗くと、小さな頭が一つジィーッとしていた。この子はまだか?
6月11日朝、巣の前の太い枝にチョコンと子鳩が・・・ 巣立ちの練習から帰巣してきたみたい。
6月12日昼、大きくなった子鳩と対面(写真参照)、その目は「長い間、お世話になりました、これから独り立ちします」と言っているようだ。 どうやらこれからいよいよ巣立ちするようだ。
翌日、翌々日と巣を覗いたが巣は空だ。
因みに、1980年10月に東京転勤となり、翌年の3月末に練馬社宅から引っ越してきた建売一戸建て(埼玉県蓮田市)に、この椎の木は既に植わっていた(当時は胸高直径約5cm)もので、今や直径約20㎝、樹高約6m、樹冠約5mの大木となっている。⇨が今回の巣
来年、帰ってきてくれるかな? 今から、楽しみだ。
ある文献によると、
鳩はどうやら「キジバト」と思われる。“デーデーポッポウー”と鳴くとある。「家に巣があると縁起がいい」と言う。 又、ノアの方舟で“鳩を陸地探索目的で放ったところ、オリーブの小枝を咥えて戻ってきたので「鳩は平和・幸福のシンボル」と言われている。つがいは一生変わらない、全てを夫婦分担で行うなど、一般的な人の世界の営み(そうでないケースもあるが)に極似しているようだ。
メスはなで肩、細身なので判別容易、巣作りでは雄が小枝を運び、メスが巣と巣周りを形作る。
また、雄雌交代で抱卵(2個)が始まると、ジィーッと見つめるだけで追い払おうとしてもテコでも動かない“鳥獣保護法“で守られているのを知ってるらしい。 鳩は執念深いと言うが、恩義を感じる余裕を持ってるようだ。
これらの写真は2005年の巣作りである。 当時は、今回の椎の木の隣にある松の木で、写真のごとく、巣は丸見えである。 結局、カラスに卵は盗られた。
心和む良い,素晴らしいお話を読ませていただきました。実に羨ましい。拙宅の場合、デデッポッポーは表の電線までは来るのですが、庭に迄入って来ることはありません。入って来るのは、ヒヨドリ、ホオジロの類です。狭庭の梅の木などの実をつつくのか、虫をつまんでるのか、必ず2羽一組ですが、巣を作るところまでは頼ってくれないのです。